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残念な教員(林純次著)

 仕事は毎日マイペースで無理せず勧めています。昨日、上司から、「この本がおもしろいよ」と1冊薦められました。
上司は、いつも笑顔で優しい方です。
 そして薦められた本は、林純次さん著作の「残念な教員」です。

 著者の林さんは、1975年埼玉県生まれ。京都大学大学院教育学研究科修了。大学卒業後、大手新聞社に記者として入社。事件・事故、医療、政治、教育、高校野球などを担当する。フリーランスジャーナリストに転身した後は、事件や政治の記事を書きながら、カンボジアやパレスチナなどの貧困地帯や紛争地域を取材。一方でサッカー日本代表についても取材執筆を行った。2003年、教育者に転身。教育現場の体たらくや、情報を生徒に垂れ流すだけの教育、過度にシステム化されたディベート授業に疑問を抱き、ディスカッションの授業を模索していく。その成果が2012年度の読売教育賞優秀賞(国語教育部門)につながった。現在は関西の中高一貫校で教鞭を握っている。 と略歴が出ています。

 本の内容は、学校は「教え方を知らない教員」が8割いるから始まります。
「残念な教員」とは、ニュースネタになるような破廉恥教員のことではない。もちろん、彼らも「残念」ではあるが、教育界全体から見ればごく一部に過ぎず、どちらかといえば個人の資質の問題とも言えるだろう。
本書で言う「残念な教員」とは、そもそも本業での「教え方を知らない」、その結果「生徒を成長させられない」教員のことである。実はこのタイプの教員が、学校教育現場の8割を占めているのだ。その証拠に、今でも多くの生徒が塾や予備校に通っている。
本書は、「残念な教員」を量産し続ける学校教育現場の「失敗のしくみ」を踏まえ、過去の教育実践の蓄積と著者自身の取り組みをベースに、未熟練教員と生徒を共に成長させる方法を提示する。

 印象に残った文章をいくつか紹介します。

・早稲田大学教職研究科教授 油布佐和子教授
 「勤続年数10年未満の一般教諭の68.1%  11年以上20年未満の59.5%の年間読書数は、10冊未満であることが報告  されています。教育に携わる者の読書量として、これは看過されるべき数値ではありません」
・ 「学びの共同体」で知られる、佐藤学学習院大学教授は「教師花伝書」で、
 「西洋東洋を問わず、古来、教えるという不遜な仕事を教師が行うことができたのは、教師自身が他の誰よりも読書を   し、学んでいたからである。よく学ぶ者のみが教壇に立つことが許された。」と記している。 

一斉講義型授業に対し、1980年代後半より、互いの話を聞き合うことを学びの基礎として、学習を深める「学びの共同体」という発想や構成的グループエンカウンターという方法の必要性が強く謳われるようになった。また、戦前・終戦直後 の生活綴り方教育に見られた学習集団の有効性も見直されるようになった。学習集団とは、生徒が集団で討議したり、生徒の書いた文章を元に読み合いや話し合いを行う実践のことである。
 ※グループエンカウンターとは、学生が授業や行事など学校生活に関わるすべての場面  において、本音を表現し合   い、それを互いに認め合う体験を通じて、自分自身や他者を理解すること、生きる喜びや勇気をもたらすことを目的と   したものである。
 構成的とは、
 ①活動をリーダーの用意した課題に沿って行う
 ②エクササイズの内容やグループのサイズを指定する
  ③エクササイズに取り組む時間を設定する

例えば原発の再稼働については、読売、産経、日経新聞は再稼働賛成、逆に毎日、朝日、京都新聞は再稼働反対とい うことがわかる。さらに、それらの論調がいかなる根拠に基づいているのかまで理解し、新聞社側がそういう報道を行う ことのメリットにも光を当てる。その上で、生徒自身はどう考えるか、持論の形成にまでつなげる。

・説明解説の力を伸ばすには、
 1 繰り返し練習する
 2 短所に焦点化し、改善する
 3 学び合えるチーム作り
   ※さいたま市の小学校では、新人教員の授業に指導教官が週1回の頻度で貼り付く。
  そして、放課後に振り返りをする。
 
・指示は短く

・発問:発する側が解答をわかっていてする質問
 質問:発する側にも解答内容が、具体的に予想できない問い

・指導より巡視

・清潔感と匂い

・生徒を怒鳴る意味

・先輩同僚からの助言

・教師(こども)に求められる力
 1 精神的タフネスさ
 2 積極的行動力、それに関連する思考力
 3 自己認識と他者認識



 第1章の学校教育の現状については、鋭い観察眼で現場を見手いると思いましたが、2章から後ろは、ちょっと上から目線で書かれている文章で鼻につきました。著者のような立派な教員になりたくても、時間の使い方がヘタでたくさんのことができず、しかも本書にもあったけれども、まじめで熱血な、残念な教員はどうしたらいいのでしょうか。
 著者自身が、マスコミから教員に転向し、教員志望の身には為になることがたくさん書いてあります。ただそれを全て実践するのは相当大変かと思います。
 筆者の実体験に基づく身につまされる実例や、耳の痛い忠告が続く。教員、特に中学校・高校の教員には一読を薦めたいです。教員採用試験の「合格者がプロフェッショナルとして順調に成長できるのは上司や同僚に恵まれたときだけ」という意見には首肯できる部分もありましたが、「身に付けてほしい3つの力」は、どうすれば身に付けられるのか、もっと具体的に光明を示していただきたかったです。
 筆者の指摘する通り残念な教員はいると思うが、懸命に頑張っている教員もたくさんいることを、もっと書いていただきたかったです。
書かれていることは反論することは何もないです。しかし、私が感じた違和感は何なのか、考えてみました。おそらく、筆者の年齢を見たからでしょうか?  まだ、著者も修行中の身では?  このてを書くには、少し早すぎないかということです。私がもっと若ければ何も感じなかったかもしれませんが、、、、

 しかし、仕事に復帰した時期に、教育に関する読みやすい本が読めたのは良かったです上司に感謝です。

残念な教員(林純次著作) 残念な教員(林純次著作)
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答えは簡単

林さんの本の内容に共感したものです。

>まじめで熱血な、残念な教員はどうしたらいいのでしょうか。
できる所からやればいいのです。
やれば慣れる。さすれば、追加の作業をできるようになります。

無理だー、と言って何もしないのはダメでしょう。

この本に共感しないのは、もっとダメですが。
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